椎間板ヘルニアに対しての治療

椎間板ヘルニアという病気については、他の病院のホームページで多く語られておりますので、ここでは当院での治療についてお話いたします。

病態によって、内科療法外科療法を選択いたします。

内科療法は椎間板ヘルニアによる脊髄の圧迫が軽度な症例に対して選択する治療法です。

通常、この治療には2-4週間の絶対安静が必要です。椎間板ヘルニアによる脊髄の圧迫は減圧されず、そのまま持続するため、脊髄機能の回復は外科療法に比べて時間がかかり、不完全なものです。

よって、重症の脊髄障害患者、脊髄機能が悪化傾向にある患者、飼育環境や性格により絶対安静が不可能な患者では不向きです。もし絶対安静ができないなら、椎間板ヘルニアが悪化して症状が進行する危険性が高いため注意が必要です。抗炎症量のステロイド療法は患者の疼痛を抑える程度の働きをもちますが、脊髄機能を回復させる直接の作用はありません。適切な内科療法によって症状が一時的に改善しても、後に椎間板ヘルニアが再発し、脊髄障害は更に重症となる危険性があります。

外科療法は、全身麻酔をかけ、レントゲン脊髄造影法によって椎間板ヘルニアの発生部位を確認した後、片側椎弓切除術により脊髄を露出し、脊髄を圧迫している椎間板を取り除く方法です。

最近では、積極的にMRI検査を行うことにより、より精密に神経状態をチェックできるようになりました。

もし外科手術が必要になった場合

まずは、どこの椎間板が神経を圧迫ししているのかを確認しなくてはなりません。レントゲン脊髄造影法によって椎間板ヘルニアの発生部位し、片側椎弓切除術により脊髄を露出し、脊髄を圧迫している椎間板を取り除くのですが、脊髄造影法検査のみでは、詳細な神経自体の状態を見ることができません。そのため、最近ではMRI検査によって、より詳細な検査を手術前に行うことをお勧めしております。

ただ、MRI検査の欠点として、手術とは別に麻酔が必要であること、当院とは別に検査センター(CAMIC千葉)に行かなくてはならないこと、検査費用が別途かかることがあげられます。

椎間板ヘルニアで重要なことは、内科的・外科的治療にかかわらず、必ずしも完全に治るとは限らないという点です。一度損傷した神経は修復されないため、治療を受けるまでの時間や損傷の程度が問題となります。薬のみで完治する犬もいれば、手術を行っても神経が強く損傷されていて元通りに歩くことができないといったこともよくあります。

 最後に稀ですが、重度椎間板疾患の神経学的不全に脊髄軟化症という疾患があります。初期症状は椎間板ヘルニアと同様ですが、日に日に悪化していく進行性の脊髄疾患で、数日で死に至ります。椎間板ヘルニア症状の患者の内、約3~6%がこの疾患と言われています。
ミニチュアダックスやコーギーのように、椎間板ヘルニアになりやすい犬種の場合、子犬の時期から脊椎への過度な負荷、衝撃を避ける飼い方やしつけをすることが重要です。肥満にならないように、食事管理をする事も重要です。また、激しい運動を避けることや滑りにくい環境を整えることも大切です。室内犬の場合、ソファなどへの昇り降りをさせないことも予防の1つです。なりやすい犬種以外でも椎間板ヘルニアにならないとは言い切れません。十分に予防してあげましょう。

椎間板ヘルニアについて詳しく乗っているサイト

相川動物医療センター

MRIやCTスキャン検査ができる施設

CAMIC

書いた人

佐瀬 興洋
佐瀬 興洋
【経歴】


2004年 麻布大学獣医学科卒業

2006年 Watpo Thai Traditional Medical School(General Massage) 修了

2008年 ユーミーどうぶつ病院開院

2013年 HJS 整形外科研修

2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Basic Course 修了

2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Advance Course(神経外科) 修了

2014年 HJS Night Vets Club “Liver Night” 参加

2015年 HJS World Class Program “TPLO”参加


【所属学会・資格】

獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会・獣医再生医療研究会・ISFM(国際猫医療学会)・JVOC(日本獣医眼科カンファランス)獣医眼科手術研究会



外科分野では骨折や脱臼などの整形外科、泌尿器や消化器、肝臓、胆嚢の軟部外科、皮膚形成外科、椎間板ヘルニア、会陰ヘルニアなどの手術を得意としております。
内科分野においても幅広く勉強しております。
内視鏡や超音波診断装置を使用しての消化器系の検査も行なっておりますので。 どうぞご相談ください。