各種ヘルニア再発例の手術立て続け。
先週、会陰ヘルニア、鼠径ヘルニアと立て続けに手術しました。
両方とも、他の病院で手術を受けたものの再発をしたという症例でした。なかには、都内の大学病院までいってくれと言われたという方もいました。
会陰ヘルニアや鼠径ヘルニアは、確実な解剖学的知識と、手術技術の習得が必要な手術です。切皮して見えた組織を見様見真似で縫合すればいいという手術ではありません。
教科書でみると、手術自体は一見簡単な作業のようですが、その病気になるまでの過程、裏に隠れている病気など、いろいろ考察を経なければなりません。穴を塞げばいいという問題ではないのです。
手術の目的は、寿命を全うするまで再発を防ぐことです。そのためにはどのようなことをすればいいのか検討することが大事です。技術・知識不足の結果として再発させるのは、できるかぎり避けたいものです。
再発をする可能性をゼロにすることはできませんが、再発前提のインフォームド・コンセントをして手術するのもどうかと思います。
もし会陰ヘルニア、臍ヘルニアで再発してしまい、かかりつけの病院にも諦められてしまった子がいましたら、ぜひご相談いただければと思います。お力になれると思います。
書いた人
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【経歴】
2004年 麻布大学獣医学科卒業
2006年 Watpo Thai Traditional Medical School(General Massage) 修了
2008年 ユーミーどうぶつ病院開院
2013年 HJS 整形外科研修
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Basic Course 修了
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Advance Course(神経外科) 修了
2014年 HJS Night Vets Club “Liver Night” 参加
2015年 HJS World Class Program “TPLO”参加
【所属学会・資格】公益社団法人千葉県獣医師会所属公益社団法人佐倉青年会議所2018年度監事
獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会・獣医再生医療研究会・ISFM(国際猫医療学会)・JVOC(日本獣医眼科カンファランス)獣医眼科手術研究会
当たり前のことですが、なるべくしっかりとした診断を付けることを目標にしています。
その上で、出来る限りの治療を行えるように努力しています。
外科分野では骨折や脱臼などの整形外科、泌尿器や消化器、肝臓、胆嚢の軟部外科、皮膚形成外科、椎間板ヘルニア、会陰ヘルニアなどの手術を得意としております。 近年小型犬種にも増えている前十字靭帯断裂などの膝疾患の治療に力を入れており、TPLOのような専門的な手術も実施しております。内科分野においても幅広く勉強しております。 内視鏡や超音波診断装置を使用しての消化器系の検査も行なっておりますので。 どうぞご相談ください。
飼い主様が安心してご来院できるよう最新の知識・技術の研鑽を怠らないように心がけています。
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