肝臓の腫瘍

今日は肝臓の腫瘍について書きます。

私が勤務医の時代、勤めていた病院では「肝臓に腫瘍があったら(手術は難しいし)予後不良なので手を出すな!」

と言われてたものですが、現在は肝臓に腫瘍があるからといって必ずしも予後不良とは言えません。

現に、超音波の検査で、お腹の中の半分以上を占めていた肝臓の腫瘍を摘出して、その腫瘍が「肝細胞癌」と診断されても、摘出後再発もせず元気に過ごしているわんこは結構います。腸の動きを妨げていた癌を取り除いたことで食欲も増し、何でもなかったように太っています。

「肝細胞癌」ってネーミングはいかにも悪そうですが、とってしまえば実は予後の良いパターンが結構多いです。

他にも良性の腫瘍も数多く経験してますし、肝臓のあちらこちらに散らばっていないものであれば、見た目大きな腫瘍でも摘出後、予後の良い症例をよく見ます

胆嚢がらみで肝臓の機能の低下が見られる子もいます。

肝臓・胆嚢がらみの病気は、「(手術が難しく)予後が悪い」と言われがちですが、現在は必ずしもそうではないことも多いです。

もし気になる動物がおりましたら、ご相談いただければと思います。

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書いた人

佐瀬 興洋
佐瀬 興洋
【経歴】

2004年 麻布大学獣医学科卒業
2006年 Watpo Thai Traditional Medical School(General Massage) 修了
2008年 ユーミーどうぶつ病院開院
2013年 HJS 整形外科研修
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Basic Course 修了
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Advance Course(神経外科) 修了
2014年 HJS Night Vets Club “Liver Night” 参加
2015年 HJS World Class Program “TPLO”参加
【所属学会・資格】公益社団法人千葉県獣医師会所属公益社団法人佐倉青年会議所2018年度監事
獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会・獣医再生医療研究会・ISFM(国際猫医療学会)・JVOC(日本獣医眼科カンファランス)獣医眼科手術研究会


当たり前のことですが、なるべくしっかりとした診断を付けることを目標にしています。
その上で、出来る限りの治療を行えるように努力しています。
外科分野では骨折や脱臼などの整形外科、泌尿器や消化器、肝臓、胆嚢の軟部外科、皮膚形成外科、椎間板ヘルニア、会陰ヘルニアなどの手術を得意としております。 近年小型犬種にも増えている前十字靭帯断裂などの膝疾患の治療に力を入れており、TPLOのような専門的な手術も実施しております。内科分野においても幅広く勉強しております。 内視鏡や超音波診断装置を使用しての消化器系の検査も行なっておりますので。 どうぞご相談ください。
飼い主様が安心してご来院できるよう最新の知識・技術の研鑽を怠らないように心がけています。