獣医師としての良心

「先生のところの注射って新品ですか?」

とつぜんある飼い主さんから聞かれました。

私は、「??注射器も針も包装されてる新品ですよ?どうしてそんなこと聞くのですか?」

「動物病院って、注射器や針・さらには手術の針や糸を使いまわしてるってきいたものですから・・・」

とのこと・・・昔ならいざ知らず、そんなことしている病院があるのでしょうか??

人間の病院では注射器や針をつかいまわさないのは当たり前です。

私の知り合いで、針の使いまわしが原因で肝炎になった方がおられます。

でも、動物病院ではどうなのでしょう?

注射されている動物はその注射針や注射器が新品なのか、使いまわされたものなのかわかりません。

つまり、それが表だって問題になることはありません。動物はモノをいわないですから。

一度しか使ってはいけないプラスチックの注射器を、洗浄・滅菌して再使用して、診療費を安くしている病院もあるようです。

大切なわんちゃん猫ちゃんに、使いまわされた注射器を使用されたりしてませんか?

気になる方は獣医さんに聞いてみるとよいかもしれませんね。

ちなみに私は、注射器や針の再利用はもちろんしておりませんし、手術の針や糸も一度使ったものはすべて廃棄です。

手術で使用する糸も、私がもっとも優れていると考えるもの(PDS2)を使用し、手術後の傷口も目立たないようにしています。

最近問題になっているミニチュアダックスの脂肪織炎は、低価格の糸が原因の一つといわれています。

「あそこの病院は安くて良心的」

って言葉をよく耳にしますが、安いのってほんとうに良心的なんでしょうか?

ジャスコで買った絹糸や、使いまわされて切れなくなったメスの刃、注射器・針を使って経費を削減した治療・手術をすれば、私は良心的な獣医師になれるのでしょうか?

私はそんな良心的(?)なことはしたくありません。

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書いた人

佐瀬 興洋
佐瀬 興洋
【経歴】

2004年 麻布大学獣医学科卒業
2006年 Watpo Thai Traditional Medical School(General Massage) 修了
2008年 ユーミーどうぶつ病院開院
2013年 HJS 整形外科研修
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Basic Course 修了
2014年 DePuy Synthes Vet Spine Seminar Advance Course(神経外科) 修了
2014年 HJS Night Vets Club “Liver Night” 参加
2015年 HJS World Class Program “TPLO”参加
【所属学会・資格】公益社団法人千葉県獣医師会所属公益社団法人佐倉青年会議所2018年度監事
獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会・獣医再生医療研究会・ISFM(国際猫医療学会)・JVOC(日本獣医眼科カンファランス)獣医眼科手術研究会


当たり前のことですが、なるべくしっかりとした診断を付けることを目標にしています。
その上で、出来る限りの治療を行えるように努力しています。
外科分野では骨折や脱臼などの整形外科、泌尿器や消化器、肝臓、胆嚢の軟部外科、皮膚形成外科、椎間板ヘルニア、会陰ヘルニアなどの手術を得意としております。 近年小型犬種にも増えている前十字靭帯断裂などの膝疾患の治療に力を入れており、TPLOのような専門的な手術も実施しております。内科分野においても幅広く勉強しております。 内視鏡や超音波診断装置を使用しての消化器系の検査も行なっておりますので。 どうぞご相談ください。
飼い主様が安心してご来院できるよう最新の知識・技術の研鑽を怠らないように心がけています。

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